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似ているようで似ていない古事記と日本書紀

現存する最古の歴史書である「古事記」「日本書紀」。どちらも飛鳥時代に、天武天皇のもとで作られはじめたと伝わります。それぞれ、日本神話や古代史が記されていますが、そもそもこの2つの歴史書、具体的に何がどう違うのでしょうか?

古事記は、皇室の歴史がまとめられた書です。物語としての性質が強く、神話や伝説も数多く登場します。仮名が混じった日本特有の文章で書かれており、国内向けの書物だと考えられています。

一方で日本書紀は、当時の中国人でも読むことができる純粋な漢文で書かれた公式記録。内容は、より歴史的な出来事に焦点が当てられています。

特徴的なのは、一つのエピソードに対して「一書(ひとふみ)では」という書き出しで、いくつもの違う伝承や異伝が書き連ねられていること。国家の史料という趣が強いのです。
古事記と日本書紀では、登場する神々や、名前に使われる漢字が違っていたりします。また、一方にしか出てこないエピソードがあったり、同じエピソードでもストーリーが異なることもあります。
例えば、有名な「因幡の白うさぎ」の話は古事記のみで日本書紀には書かれていません。
アマテラス、スサノオの姉弟で三貴子(さんきし)の1人であるツクヨミも、日本書紀では穀物の起源として語られますが、古事記では誕生のシーン以降一切出番がありません。

神話は、古代の人たちの思いがさまざまに紡がれてきたものです。そう考えると、神話の理解がひとつでないこともうなづけるのではないでしょうか。

堀田 尚宏(Hotta Naohiro)
八幡神社(岐阜県養老町)の神職さん。
2004年に阿智神社(岡山県倉敷市)に奉職以来、20年にわたり神職を務める。
日本国外で最古の歴史を持つハワイ島の『ヒロ大神宮』の7代目宮司。現在は神職と兼任して、実家が経営する業務用串カツメーカー『オグラフーヅ』の専務も務める二刀流。

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■谷口松雄堂ブログ編集担当より
神と紙にまつわるお話を、神職の方にお話いただけました。神社やお寺に参拝へ行くときに、知っておくとより楽しいお話をシリーズでお伝えします。

→→→これまでの「かみかみコラム」

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