春日様も炭治郎の父も付けていた「雑面」
「お面」と聞くと、みなさんはどんな顔をしたお面を連想しますか?
昔ながらのお面といえば、やはりキツネやひょっとこでしょうか。
地域によっては天狗のお面をイメージする方もいるかもしれませんね。
ただ、神社で「お面」というと、舞楽のお面をイメージすることが少なくありません。
舞楽は雅楽の一種。神社の境内などでよく耳にする、ゆったりとした高音の音楽「雅楽」に合わせて舞うものです。そして雅楽には様々な曲目があり、それぞれにストーリーがあります。
舞楽では、そのストーリーに沿ったお面=雅楽面を付けて舞うのですが、このお面がまた、個性豊かで面白いのです。
たとえば、有名なお面で言うと、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に登場する神様・春日様が付けているお面。
これは、朝鮮由来の「蘇利古(そりこ)」という曲目の際に使われる雑面(ぞうめん)というお面がモチーフになっていて、人の顔を抽象化した怪しい図柄が描かれています。
舞楽は雅楽の一種。神社の境内などでよく耳にする、ゆったりとした高音の音楽「雅楽」に合わせて舞うものです。そして雅楽には様々な曲目があり、それぞれにストーリーがあります。
舞楽では、そのストーリーに沿ったお面=雅楽面を付けて舞うのですが、このお面がまた、個性豊かで面白いのです。
たとえば、有名なお面で言うと、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に登場する神様・春日様が付けているお面。
これは、朝鮮由来の「蘇利古(そりこ)」という曲目の際に使われる雑面(ぞうめん)というお面がモチーフになっていて、人の顔を抽象化した怪しい図柄が描かれています。
大ヒットしたアニメ『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎のお父さんも、神楽を舞う時に雑面のようなお面を付けていました。
これもおそらく、「蘇利古(そりこ)」をモチーフにしたのでしょうね。
美しすぎる顔を隠すためのお面も
舞楽の中で、もっとも多く上演されてきたとされる曲目に「陵王(りょうおう)」があります。
「陵王」の主役は、中国の南北朝時代後期に活躍したとされる蘭陵王長恭(らんりょうおうちょうきょう)という人物。わずか500騎で敵を打ち破り、自国の窮地を救ったと言われています。
舞楽では、馬上から兵士を指揮する、勇ましい蘭陵王の姿を舞いで表現します。
ところが、蘭陵王の顔には、頭に龍を乗せた奇妙なお面が…。実はこの異形のお面は、蘭陵王のあまりにも美しい容姿を隠すために付けていたとされます。顔を見せてしまうと、部下の兵士が見とれてしまって、味方の士気が上がらない。そこで、怖そうなお面で顔を隠していたというのです。
このように舞楽では、珍しいお面の裏側に、興味深い物語が隠されていたりします。
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舞楽のお面に限らず、地方のお祭りなどで使われるお面にもいろいろな言い伝えがありますから、
珍しいお面を見かけた際には、ぜひ地元の人や神社の宮司さんなどに、
お面のルーツを尋ねてみてください。
思わず「へえ!」と言ってしまうような、面白いお話が聞けるかもしれませんよ。
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堀田 尚宏(Hotta Naohiro)
八幡神社(岐阜県養老町)の神職さん。
2004年に阿智神社(岡山県倉敷市)に奉職以来、20年にわたり神職を務める。
日本国外で最古の歴史を持つハワイ島の『ヒロ大神宮』の7代目宮司。現在は神職と兼任して、実家が経営する業務用串カツメーカー『オグラフーヅ』の専務も務める二刀流。
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■谷口松雄堂ブログ編集担当より
神と紙にまつわるお話を、神職の方にお話いただけました。神社やお寺に参拝へ行くときに、知っておくとより楽しいお話をシリーズでお伝えします。
→→→これまでの「かみかみコラム」
・御朱印帳【全3回】
・「かみ」の雑学【全2回】
・人形(ひとがた)を使ったお祓い【全2回】
・ジブリ映画に鬼滅の刃...大ヒットアニメも参考にしたお面とは?