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【昔の相撲は命がけだった!?神話時代にまでさかのぼる相撲のルーツ 】

古事記や日本書紀に残る相撲の起源

日本の伝統文化であり、国技ともいわれる相撲。その起源は神話の時代にまでさかのぼります。

神話や伝説としてよく知られているのは、『古事記』に出てくる武御雷神(たけみかずちのかみ)建御名方神(たけみなかたのかみ)力比べや、「日本書記」の野見宿(のみのすくね)当麻蹶速(たいまのけはや)闘いです。

日本書紀には、第11代垂仁天皇が天下一の強者と言われていた当麻蹶速(たいまのけはや)を諫めるために、出雲国の野見宿(のみのすくね)を呼びよせて相撲の試合をさせたと記されています。勝った野見宿禰(のみのすくね)は現代も、相撲の神様として祀られています。
ただし、当時の相撲は今とはずいぶんルールが違ったようです。殴る、蹴るは当たり前の取っ組み合いで、まさに命をかけた闘い。現在の相撲の基礎となるルールや形式が確立されたのは江戸時代に入ってからです。

長い歴史の中で洗練され、スポーツとしての形式が整ったことで、相撲は庶民の娯楽として人気が広がったのです。

相撲の「はっけよい」は占いがルーツ!?

相撲はかつて神事だった

神社の中には、境内に土俵があるところがあります。相撲と神社にはどんな関係があるのでしょうか?

相撲のルールは古事記の中で語られており、その起源が神話の時代にまで遡ることがわかります。その後、奈良時代では農作物の収穫を占う儀式として日本各地で相撲が行われるようになり、平安時代には宮中の年中行事となっていきます。

庶民の間で豊作を占う儀式として広がったものが、宮中で五穀豊穣、天下泰平を願う神事として発展していったのでしょう。

神社に土俵が置かれているのは、相撲がもともと神事だったことの名残なのです。

土俵は神聖な場所である

紙相撲の掛け声って「はっけよーーい」ですよね

神事に準じた相撲の作法

現代の相撲にも、神事に準じた作法がたくさん残っています。

たとえば、力士が土俵に入る前にまく塩は「清めの塩」と呼ばれ、土俵の邪気を祓い、神様に祈るという意味があります。
柏手を打つのも、力水で身を清めるのも、土俵に神様がいると考えられているから。
四股踏みも、足で地面を踏んで邪気を祓うためと言われています。

ちなみに「はっけよい」という掛け声は、相撲がかつて占いだった名残とも言われます。

「はっけ」は易占いで使われる「八卦」よい「良い」からきているという説で、
「八卦良い=占いの準備がよく整った」  ということ。
そこにプラスして、占いは「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と言っているわけですね。

はっけよいの語源には諸説ありますが、相撲の歴史を考えると「八卦良い」説もおもしろい考え方の一つだと思います。

神事とのかかわりという視点で相撲を見てみると、「あれ?この作法って…」など、新しい発見があるかもしれませんよ。

堀田 尚宏(Hotta Naohiro)
八幡神社(岐阜県養老町)の神職さん。
2004年に阿智神社(岡山県倉敷市)に奉職以来、20年にわたり神職を務める。
日本国外で最古の歴史を持つハワイ島の『ヒロ大神宮』の7代目宮司。現在は神職と兼任して、実家が経営する業務用串カツメーカー『オグラフーヅ』の専務も務める二刀流。

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■谷口松雄堂ブログ編集担当より
神と紙にまつわるお話を、神職の方にお話いただけました。神社やお寺に参拝へ行くときに、知っておくとより楽しいお話をシリーズでお伝えします。

→→→これまでの「かみかみコラム」

・御朱印帳【全3回】
・「かみ」の雑学【全2回】
・人形(ひとがた)を使ったお祓い【全2回】
・ジブリ映画に鬼滅の刃...大ヒットアニメも参考にしたお面とは?
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・七五三の儀式の話【全2回】
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・陰陽師の話【全2回】
・相撲のルーツの話

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