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【御朱印 vol.2】

御朱印帳の紙は真っ白と茶色のどちらが正解?

御朱印がブームになった背景には、色、柄、デザインが豊富な御朱印帳の存在があります。
全国には、神社やお寺、地域の特徴を反映した御朱印帳がたくさんあり、豪華絢爛な刺繍が施されているものから、着物に使われるちりめん生地のものまで、デザインも素材も多種多様。御朱印だけでなく、御朱印帳を集めるのが好きという方もいらっしゃいます。

私が宮司を務めていたハワイ島ヒロにある「ヒロ大神宮」でも、オリジナルの御朱印帳が大人気でした。

ハワイ島のヒロは湾岸沿いにある町で、夜はとてもきれいな星空が広がる地域。ですから御朱印帳も、海とマウナケア山、ミルキーウェイをイメージしたデザインにしました。

ヒロ大神宮オリジナル御朱印帳(堀田さん提供)

その神社やお寺、地域でないと手に入らないものも多いため、御朱印帳には、旅の思い出帳としての側面も。神社やお寺の建物を描いた象徴的なものも素敵ですし、神社仏閣の歴史を反映したデザインなども印象的でおもしろいものです。

たとえば、岐阜県の「溝端神社」の御朱印や御朱印帳には、飛行機をかたどったデザインがなされています。これは、溝端神社の境内に祀られている「肇國(ちょうこく)神社」が、航空技術を学ぶ学生の守り神として昔から親しまれてきたから。
▶︎溝端神社HP

また、妙見様という北極星の神さまが祀られている千葉県の「千葉神社」では、キラキラと輝く天の川のようなデザインの御朱印帳が人気を集めています。
▶︎千葉神社HP(朱印帳のページ)

神社仏閣をお参りしたときには、こうした御朱印帳のデザインに注目してみるのも楽しいもの。

ちなみに、御朱印帳の中の紙は、真っ白なものと、少し茶色がかった紙の大きく2つに分かれます。神社の御朱印帳は真っ白な紙がほとんどですが、お寺の納経帳では茶色がかった紙がよく使われています。

お寺の納経帳

これは、お経がもともと黄色や紺色に染めた紙に書かれていたからだと考えられます。

「御朱印帳vol.1」(→Click←)記事で、神さまも仏さまも同じように祀られていた神仏習合時代のお話をしましたが、神仏が江戸時代ほど混じり合っていなかった中世では、伊勢の神宮などを中心に、神前で慎むべきとされた言葉は言い換えがなされていました。

これを「忌詞(いみことば)」と言います。

その中のひとつに「染紙」というものがあります。染紙とは、お経のこと。お経は染められた紙に書くものだから…ということです。

━━━━---御朱印帳の紙の色の違いには、こうした名残があるのかもしれません---━━━━

とはいえ、今はほとんどの神社やお寺が、紙の色など気にせずに御朱印を押してくれるはずです。

神道にまつわるものは真っ白、というイメージがありますが、考えてみれば、ほんの100年ほど前までは、真っ白の紙なんてなかなか手に入らなかったはず。

ですから、御朱印帳の紙の色はそれほど気にしなくていいと思います。

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御朱印をいただくときに一番大切なのは、敬意を持って神さまや仏さまをお参りする気持ち。

その気持ちがあれば、きっと神社でもお寺でも、気持ちよく御朱印を押してもらえると思いますよ。

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堀田 尚宏(Hotta Naohiro)
八幡神社(岐阜県養老町)の神職さん。
2004年に阿智神社(岡山県倉敷市)に奉職以来、20年にわたり神職を務める。
日本国外で最古の歴史を持つハワイ島の『ヒロ大神宮』の7代目宮司。現在は神職と兼任して、実家が経営する業務用串カツメーカー『オグラフーヅ』の専務も務める二刀流。

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■谷口松雄堂ブログ編集担当より
神と紙にまつわるお話を、神職の方にお話いただけました。神社やお寺に参拝へ行くときに、知っておくとより楽しいお話をシリーズでお伝えします。

【第一回】平清盛も御朱印をもらっていた !?
【第二回】御朱印帳の紙は真っ白と茶色のどちらが正解?
【第三回】神社とお寺で御朱印帳は分けるべき?(5月末ごろ掲載)

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