干支(干支)は「十干十二支(じっかん じゅうにし)」を略したもの
2024年 辰年。干支というと、その年を表す12種の動物をイメージしますが、本来の干支は十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせたものです。
そして、この「十干 十二支」を略した言葉が「干支」です。
十干(じっかん)も十二支(じゅうにし)も、もともとは中国で暦として使われ始めたもの。
十干は「甲(こう)」「乙(おつ)」「丙(へい)」…など、1から10までを数えるための呼び名で、十二支は、時間や12カ月の順番を表す呼び名でした。「子(ね)「丑(うし)」「寅(とら)」…という十二支の呼び名を庶民にも浸透させるため、ここに動物を当てはめたのが現在の十二支のルーツです。
十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせは全部で60通りあり、これを一巡すると還暦になります。
「甲子園」は十干 十二支から名付けられた
十干と十二支は、それぞれ草木の成長過程に合わせて名付けられています。
例えば、十干の「甲(こう)」は、種子がまだ厚い皮をかぶっている状態。5つ目の「戊(ぼ)」になると、草木が大きく茂っている様子になります。
十二支も同様に、「子(ね)」は、種子という新しい生命が芽生えた状態。
「卯(う)」は草木が茂り始めた様子を表します。こうした意味が複雑に結びついて、毎年の吉凶や縁起が生じています。
2023年の大河ドラマの主人公は徳川家康でしたが、彼は寅の年、寅の日、寅の刻に生まれたことから、「三寅の福」に恵まれていたと伝わります。
2023年に18年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガースの本拠地・甲子園も、十干十二支から命名されたもの。甲子園が完成した1924年は、十干が「甲」、干支が「子」の年。十干、十二支それぞれの最初の組み合わせで縁起がいいことから「甲子園」と名付けられたそうです。
2024年の干支「甲辰」は縁起がいい年!成長する1年に。
前回の「甲辰」は東京オリンピックの年
2024年は、十干十二支でいうと「甲辰(きのえたつ)」です。
「甲」は十干の1番目で、植物などの生物が誕生した状態を表し、物事の始まりと捉えることができます。
そして十二支の「辰」は5番目にあたり、草木の新芽が葉を広げ、しっかりと整ってくる状態。
さらに、2024年の干支の動物である「辰(龍)」は、空に向かって上昇するイメージがある他、水や海の神として祀られていたり、権力の象徴であったりもします。
そして、新紙幣の発行やパリ五輪が予定されている2024年は、十干 十二支で「甲辰(きのえたつ)」の年なんです。
これらを読み解くと、甲辰は「ぐんぐん育っていく成長性のある年」 「これまで準備してきたものが形になってくる年」と言えそうです。
ちなみに、十干 十二支での1周前、つまり60年前の「甲辰」は東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が開通した年です。
日本武道館が開館されたのも、この1964年。まさに、成長や成功という言葉がぴったりの1年ですよね。
戦後の復興から高度経済成長に移行していた日本にとっては、先進国への仲間入りを世界に告げる年となりました。
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甲辰は、新しい挑戦にも、これまでの努力にも陽が当たりそうな縁起のよい年。
せっかくならその波に乗って、2024年の甲辰もワクワクした前向きな気持ちで進んでいきたいですね。
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堀田 尚宏(Hotta Naohiro)
八幡神社(岐阜県養老町)の神職さん。
2004年に阿智神社(岡山県倉敷市)に奉職以来、20年にわたり神職を務める。
日本国外で最古の歴史を持つハワイ島の『ヒロ大神宮』の7代目宮司。現在は神職と兼任して、実家が経営する業務用串カツメーカー『オグラフーヅ』の専務も務める二刀流。
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■谷口松雄堂ブログ編集担当より
神と紙にまつわるお話を、神職の方にお話いただけました。神社やお寺に参拝へ行くときに、知っておくとより楽しいお話をシリーズでお伝えします。
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・十五夜「奈良時代から…!」「月見団子の数…?」【全2回】
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