おみくじは木に結ばないで!
初詣の楽しみのひとつである、おみくじ。参拝をした後におみくじを引くことで、神さまからのメッセージを知ることができると言われます。
ところで、引いた後のおみくじの紙は、どう扱うのが正解なのでしょうか???
近くの木やおみくじ掛けに結ぶ人もいれば、結ばずに持ち帰る方もいます。
答えから言うと、どれも間違いではありません。
おみくじには、神社に結んで帰ることで神さまとのご縁を結ぶ、という意味があります。ですから、結んで帰ってもちろん大丈夫。一方で、縁起担ぎや戒めとしておみくじを持って帰るのも間違いではありません。新年に引いたおみくじを1年間身近に置いて、翌年またおみくじを引くときに、古い方を結んで帰ればOKです。
ただし、結ぶときに一つだけお願いがあります。
それは、おみくじ掛けがあるなら、そこに結んでほしいということ。よく、御神木など境内の木に結んで帰る方がいらっしゃいますが、木に結ぶと枝が傷んでしまうことがありますし、参拝者の多い神社であれば、たくさんの人に根っこ部分を踏まれて木そのものが弱ります。
おみくじ掛けは、境内のそうした木を守るために用意されたもの。あるなら是非そちらを利用してくださいね。
絵馬のルーツは本物の馬
初詣では、新年の抱負や願いごとを絵馬に書く方もいらっしゃいます。
そんな絵馬のルーツは、実は本物の馬。はるか昔は、米や酒と同様に馬を神社にお供えしていました。お供え物は、人々にとって大切なものを選びます。農耕も移動も助けてくれる馬は、生活の営みにおいて欠かせない大切な存在だったのです。
でも、馬はその後のお世話が必要ですし、そもそも馬を供えることができない人もいます。そこで、板に馬の絵を描いて納めるようになったのが、現在の絵馬につながっています。
絵馬の書き方に明確なルールはないので、縦書きでも横書きでも問題ありません。ただ、誰の願いごとなのか神さまがわかるように、できれば名前を書いておきましょう。最近は個人情報の扱いが難しいので必ずというわけではありませんが、決意表明であればなおのこと、名前を書くと気持ちも改まります。
ちなみに絵馬のデザインも、今は神社によって様々あります。おめでたい絵柄が描かれた絵馬は、眺めているだけでも楽しいもの。
持ち帰ってお土産にしたり、御朱印のように集めてみるのも、神さまとご縁を結ぶ一つの方法です。
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絵馬もおみくじもそうですが、初詣などの参拝で一番大切にしたいのは、
細かなルールよりも神さまを敬う気持ちです。大切な人にご挨拶に行くならどうするか…
と考えれば、自然と失礼な振る舞いにはならないはず。
気持ちよく新年のご挨拶をして、新年も神さまとよい関係を作ってくださいね。
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堀田 尚宏(Hotta Naohiro)
八幡神社(岐阜県養老町)の神職さん。
2004年に阿智神社(岡山県倉敷市)に奉職以来、20年にわたり神職を務める。
日本国外で最古の歴史を持つハワイ島の『ヒロ大神宮』の7代目宮司。現在は神職と兼任して、実家が経営する業務用串カツメーカー『オグラフーヅ』の専務も務める二刀流。
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■谷口松雄堂ブログ編集担当より
神と紙にまつわるお話を、神職の方にお話いただけました。神社やお寺に参拝へ行くときに、知っておくとより楽しいお話をシリーズでお伝えします。
→→→これまでの「かみかみコラム」
・御朱印帳【全3回】
・「かみ」の雑学【全2回】
・人形(ひとがた)を使ったお祓い【全2回】
・ジブリ映画に鬼滅の刃...大ヒットアニメも参考にしたお面とは?
・盆踊りのお面は先祖の顔を隠すため?
・十五夜「奈良時代から…!」「月見団子の数…?」【全2回】
・七五三の儀式の話【全2回】
・初詣の話【全2回】